海抜195m、森林面積60ha余りの麒麟山は第三紀津川層に貫入した斜長流紋岩が屏風状に切り立つ独特の山容を誇り、この地形を生かして中世には津川城も築かれています。
この山は植物の宝庫としても知られ、千余種とも推測される植物が保存されており、本県はもとより日本海型の植物生態系を代表する学術上貴重な植物群落です。
麒麟山の植物は、深雪の特殊な気候に適応するためか、太平洋側の同種に比べて、丈が低いもの・葉が大型になるもの・葉の毛の様子が異なるものなどがあり、植物学上興味深い事実を秘めていると言われます。
山頂附近にはアカマツ・ヒメコマツなどの針葉樹、中腹以下にはコナラ・クリ・ホウ・アカイタヤ・シナノキなどの落葉広葉樹やユキツバキ・チャボアオキなどの常緑樹が繁茂しています。四季を彩る草木類も豊富で、日本海側の寒地性のものを主とし、高山性のものや暖地性のものも混じっているほか、ツガワマタタビ・キリンツクバネウツギ・シロバナコシノヒガンザクラなど数々の新種が発見されています。